二人の世界
ミツバチ

囁く言葉は
いつしか熱い吐息に変わり
君が隠した赤が
熟れゆく速さで熱を帯て
教室と体育館の裏側で
目眩が生じれば
僕はそれを侵し
正しい世界がにらんでいる

やがて窓から陽が差して
当たり一面
オレンジ色に染めたころ
正しい濃度で呼吸をして
君は美しい女の人となり
熟れた真っ赤な口紅をひいて
いやらしい笑みを浮かべて
サクランボのように
可愛い僕を食す

誰も知らない場所で
瞬く星が
地上に降り注ぐ頃
交わる熱気と
濡れゆく体で
二人だけの甘美な世界が生まれる


自由詩 二人の世界 Copyright ミツバチ 2009-09-01 20:31:17
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