夜会と朝礼
こしごえ

新月の真夜中
一輪白くひっそりと
くちびるをひらき
夜顔
(すこしうつむいて、

あの夏の朝!
終えることの出来ない
円舞を始めた白い肌の灰
きのこ雲を経た黒雨の

凝視すれば真白い
それは太陽ですか?
あれは
だれのものでもありませんそして
幽かに
宙へ手を

さししめす
焼けただれてしまった歴史
だれが悪いというのですか
雨はやみました
たちつくす昇煙

おぼえている限りではこちらに
あなたさまがおわします
血流のあつく
刻みこまれた原始をささやく白さ
忘れていることなどありません帰れないだけ

ラジオ体操だいいち、終了
真空管に波がなぎしずまったはざま
空気は生ぬるいのに
ひんやりとした静けさ
自分の幽かな影にきゅん、と
ひとみは収斂なさいましたね。
ホールにて ほほえみを零す

いまのあなたさまへ
あぁ有り難う また あした、







自由詩 夜会と朝礼 Copyright こしごえ 2009-09-01 05:06:13
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