落下星
熊野とろろ

       星
     が   落ち
            てくる
    星が
         落
   ちてくる


僕らの街へ
僕らの凍てついた平野へ
僕らの絡まりあった糸の縺れへ

  考えてみれば
  僕らの言動の端々に
  あらゆる星への憧憬が
  あったようにおもう


あの煌めく惑星に行ってみたいな
呼吸出来ないほどの絶望を引き連れて
この世界に落ちてきた星々は燃え尽きてしまうから
嗚呼
誰かさんみたく


あの星が
僕らの頭上めがけて
墜落し
粉々になった
細胞や骨が
吹きさらしの平野に散らばる

こんな夜にはお前が敷いた透き通る黄金のシーツに包まっていたい
こんな夜に僕はお前の光明に寄り掛かるのだ


自由詩 落下星 Copyright 熊野とろろ 2009-09-01 03:27:45
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