台風一過
小川 葉

 
 
川がある
命の川だ
ありもしなかった
そこをいつからか
川が流れている

今そこにしかない
川を見て
見届けている
私がいる

うすぐらい部屋の隅で
テレビにうつる
川の行方に飲みこまれ
眠る夢から目覚める

朝がくれば
きらきらしてる
命のように過ぎ去った
私のすべてが
またはじまっている
 
 


自由詩 台風一過 Copyright 小川 葉 2009-09-01 01:29:23
notebook Home 戻る