靴はつやつやの焦茶色
リュウセイ

ふと空を見上げると
夏じゃないって思う

そうしたら次の日から

「秋」
って言葉が
「秋」
って言葉を

耳が敏感に聞き取るようになる

静かなそら
澄んだ風

クリーム色のスプーンと
からし色の鞄と
もうひとつ、渋い茶色のスプーンと

あんなに嫌だった温かい飲み物を口に含むと
ああ、
ほっ‥として。
ほっとするね。


まだとうもろこしは食べたいけれど
まだ、風鈴の音も心地良いけど

真っ白い桔梗に目を奪われて
地に落ちて草臥れた百合を通りすぎて


お気に入りの上着を引っ張り出さなきゃって
早足になった。



自由詩 靴はつやつやの焦茶色 Copyright リュウセイ 2009-08-31 23:26:45
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