わたしがいなくなってもあなたがそこにいる
瀬崎 虎彦
らせんを描きながら
わたしとあなたは
おちていくのですね
だれにもよびとめられることなく
口を吸い合っておたがいの
すべてが分かったような
錯覚におちていくのですね
右手に左手を結びながら
アトリエに引き伸ばされた午後が広がり
わたしたちの最後が幸福な結末ではないと
吾亦紅が告げています
愛されながらひらいていく
体温にのせてつたえていく
わたしがいなくなってもあなたがそこにいる
自由詩
わたしがいなくなってもあなたがそこにいる
Copyright
瀬崎 虎彦
2009-08-30 22:29:27