節穴
刀刃子


私の眼には穴が空いている

見たものは
眼から入って胃に落ちる


桜が散ってから
咲いてたと気付き


雪が舞ってから
寒くなったと実感し


カラスの声も聞こえないまま
日が暮れている毎日で





日々に追われて
意味を見失って


生きる為に仕事をしてるのか
仕事の為に生きてるのか
もうわからなくなって


ちょっと死ぬ事を考えても
でもまだ大丈夫って笑って


でもまだ好きな人が
居てくれるだけで頑張れて


不安や絶望すらも
見えない節穴だから




そうやってただ先週も
そうやってまた来週も




自由詩 節穴 Copyright 刀刃子 2009-08-30 14:43:09
notebook Home 戻る