「星のふり」
月乃助


心にあふれる かなしみには
おもさが あるらしい

だって 涙はきまって 
したに したへと 
おちていくもの

それに、 
どこかでだれかの涙を 
受ける器は 小さくって
たとえ たくさん あったって
いつも すぐに溢れてしまう

やっかい

でも、むずかしいことには
いつも だれかが頭をひねり
考える もの 
昔から
そういうことに なっている

シャボンは きっと 
そんなため

持ちきれない
なら
いっぱいな
きみの悲しみ なんて
僕が シャボン玉にして あげる

重力の きずなをはなって 
シャボン玉のように 浮きたたし
舞いあがる 涙は、虹いろ
いつか もう 天の果て
きみが笑う

だから 僕は、
道の途中だって
きみを 抱きしめたくなる それで
ほんの少しだけ
先を 歩いたりした 乃木坂

真空の
そこでは 実体じってい
ちゃっかり顔は 球体のすがた
かがやく星の ふりをして
まみれた悲しみの 涙の透明を

同じほどに
さびしい またたきの 
星の間に 天の川のあちこちに
きみの涙たちが 光をはなつ

それが、
星の下で きみを笑わせた夜

   天の星の 数が ね

さだまらなかった

 ほんとうの

   理由だった の

 かもね 








自由詩 「星のふり」 Copyright 月乃助 2009-08-30 13:50:25
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