ろくすっぽ形にならなかった、へんなの
亜久津歩


しかくい部屋でまあるくなって
薄い毛布と土曜日にくるまって
お昼まで眠ります、わたしたち

(そう。いつもなら)

昨晩きのうは忘れたかなしみを
不意にみつけてしまって
朝から椅子に座りました

(みつかったのはわたしのほう)

けっきょく逃げられないのかもしれない
と呟く端から いいんだよって聴こえる
後ろのベッドで今も眠る人の声をかりて
違うよ でも 大丈夫だよ でもなくて


めんどうくさいおんななんです
傍にいてくれてありがたいです
でもだからたまに苦しいんです
こんぽんてきに自信がたりない
ツミホロボシのつもりになって
ごはんのしたくでもしようかな


あれ、それはちょっとちがう気がする


とりあえずこのろくすっぽ形にならなかったへんなのを
保存してパソコンとじたら、隣にもぐって眠ってみよう


目が覚めたら 
ただちょっと寝過ごしただけの
休日の午後になっていますように。


自由詩 ろくすっぽ形にならなかった、へんなの Copyright 亜久津歩 2009-08-29 11:40:41
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