割れ目
草野大悟

ある日
ということにしておこう
ほんとは
ほぼ
毎日だけど

ある日
ぼくは
割れ目が泣いているのを
見つけた

とてもとてもとても
哀しそうに悲しそうに
しくしくえんえんわんわん
泣いているのを

快晴
吸い込まれそうな空が広がっている
真っ青な海が光っている

どうしたの
尋ねると
割れ目は
すこうしばかり顔を赤らめ
ぼくを見たけれど
また
とてもとても
かなしそうに
声もなく
泣きつづけ
尋ねたぼくも
ついつい
涙し
どうしたの
また尋ねたら
広々と蒼い
あの空を
産んだことが
哀しい
と、ひとこと
答えて
雨に


自由詩 割れ目 Copyright 草野大悟 2009-08-29 00:02:32
notebook Home