際会
月乃助


今日 出会ったのは
蒼色の湖底の 水ぱしら たち

しんとした顔に
あるいは、病んで 死んでしまっていても
一つの法則にのっとって 身をよせあい 並び
ぎっしり ぎゅうぎゅうに 立ちつくす

湖面は その上に 静かに
たたえられ 誰に対しても 等しく
影を受けとる 穏やかなかがやき を 保ち
水ばしらたちは 湖心からひろがり
湖水であり続けながら 波も立てず
水音も流れもなく 無言に聞こえない

木々の葉の揺れる
トンボの水草に休む 
ツバメの舞う
子供の泳ぐ のを
支える

配列する
はしらのみつな 巨きな水の集合体となり、
湖底に 蒼い影だけを はらんで
空と対称に 見せている浮き立つ
ひっそりとした 湖面に
誰にしられることもない 列柱の想いを なおさら
気づき 
見ていられなくなる から すぐに
あたしの 影はさきに 身を投げた
湖の 波紋

蒼になりながら ただ、
そのはしらの一つに なって、水底の
暗い影に手をさしあげ ささえるべきものの
空の 影の 虫や鳥たちの
重さにたえはじめる

でも、その意思さえも 次には水に
いつのまにか
溶けいって
消えてしまった らしい
わたしという 存在




自由詩 際会 Copyright 月乃助 2009-08-28 15:07:55
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