「秋風に晒されて想う日の夕暮れ」
Leaf
*
染みるだろう
痛いだろう
秋風は特に
包まれて
ほろほろと
愁思に触れ
湧き立つ淋しさが
吹き毀れる度に
両の手で目を塞ぎ
アスファルトの丘の上
下るように影が放物線を描く
坂道の線上の先には
貴方の息遣いがあって
鱗雲に乗れないやって
仰いだら感情線伸びて
エッフェル塔まで届いた
*
染みるだろう
苦いだろう
泣き顔は特に
慎ましく
ほろほろと
愁思に暮れ
湧き立つ虚しさが
撫で回す度に
両の手で耳塞いで
明日への希望とか丘の上で
奇しくも影が明日の物語を描く
坂道の線上の先にて
貴方の息遣いがあって
鰯雲に乗れないやって
仰いだら感情線伸びて
エッフェル塔まで届いた
**
詮無き事だらけでも
腐食しないでいたら
晒されたとしても
少しはマシだろう
***
変わり目が心をも掻き乱すとしても
疲れた顔してないで
いつもの電車の車窓から見つめる街並みと同じ
きっと届くんだろう
秋風に揺れる枯れ芒の穂が垂れる頃までは