開かずの扉
ゆりあ
お母様、お父様
息が苦しいのです
お薬を飲んでも治らない
病院に連れていってください
外に出してください
お 願 い こ こ か ら 出 し て
最近は日に日にやせ細って
脚などもう5つも下の妹よりも細くなってしまいました
今日も雨
窓から見える青い世界が美しくて悲しくて
でも私は太陽が見たいのです
毎日読書読書、でつまらない
フランスの詩はとても楽しいのですけれど、それも最初の1日だけ
お食事も喉に通らない
これも全部あのお方のせいなのです
お眼鏡と白衣がとっても似合っているあのお方
私は今でもあなたにもらったネックレスを毎日つけているのです
あなたと会うために買った新しいお洋服
化粧品
全部まだ大事にとってあるんです
次いつ会えますか?
先生、私のこと好きだって言ってくれたじゃないですか
その黒目がちの瞳がきれいだとも
ほかにもたくさんのことを
あなたは私を体だけの相手としか見てなかったのですか
あなたが言ったときはいつでも私受け入れていたのに私の何がいけなかったのですか
今も私のお腹にはあなたの赤ちゃんがいるのですよ
ああ一言でもいいからあの方の声が聴きたい
「ごめんねリサ、これからこのお腹の子と3人で暮らそう」