夏の記憶
ミツバチ

夕暮れの縁側
ふと気が付けば
秋はすぐそこで
僕の憂鬱を抱えて待っています

ああ
夏が終わるのか

そう呟けば
少しばかり涼しい風が
心の隙間を
通り過ぎていきます

夏の記憶を辿っても
悲しさだけが残り
蝉も風鈴も
何処か泣いてるようで
それは太陽に会えなかったからでしょうか?
それとも
貴方が見付からなかったからでしょうか

手の平に
溢れる後悔
あの時
手を振り払ったのは
貴方が嫌いだったのではなくて
全てから逃げてしまいたかったから
僕は弱かったのです
悲しそうな
貴方の顔が
今でも胸を締め付けます

次第に増えていく
ため息
やがて僕の悲しみは
空っぽの心をかすめて
海へ還るから
貴方と見た海は
いつまでも青いままでした


自由詩 夏の記憶 Copyright ミツバチ 2009-08-26 15:36:19
notebook Home 戻る