北村香織

海蛸とファックしたい
大の男など 優に飲み干せるようなでかいのと。

入水孔に脚を突っ込んだら
くたびれた汗を丸ごと吸い取って
内臓はコールタール色に (それは金属の臭いか)

見ない、

愛という名の天気予想図
子宮持ちの斜視。

見たい、

故郷色の吐瀉物
横たわる背骨のきもち
その 抜け殻。



自由詩Copyright 北村香織 2009-08-24 01:07:36
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