放浪g
ゆるこ

明日を30回数えた午後
空からたくさんのきのこがふってきました
私はそれをとてもきれいだとおもいました

きのこは
隣に住んでいたハイカラなおじさんを連れて行きました
私はおじさんはもう見えないものになったのだとおもいました

私の町に降り注ぐきのこたちは
とてもきれいなしろをしていました
まいにちふってきては、お金のあるひとからつれていかれて
二度とかえってくることはありませんでした


きのこの胞子で同級生が妊娠しました
父親についての訴訟がおきましたが、とうとう誰も関心を持ちませんでした
彼女はきのこのこを生みました
翌日、彼女はきのこに連れて行かれました


私の手の中には
 張り付いた薄荷飴の欠片と
 薄汚れて輪郭しかわからない家族写真しか
なかったので、この町でいつのまにか
ひとりぽっちに なっていました

しろくまちが染め上げられます
かくれんぼの鬼になったような奇妙な気持ちで
私は町の真ん中で
手をのばしながら、まっています

まっています/した



自由詩 放浪g Copyright ゆるこ 2009-08-24 00:58:07
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立体幌眩む。