ねこのこごと
……とある蛙
僕はパソコンの前にいて
女房はミシンで縫い物を
僕と女房の間には我が猫が、
我が黒猫が女房と僕の顔を
とっかえひっかえ
見上げていた。
猫は突然しっぽを上げ
僕の前を横切って
キーボードを踏み台にして
部屋の扉に飛びついた。
パソコンの画面はでたらめに、
僕の苦労はでたらめになり、
猫はみゃーあああと長く鳴き、
僕はいらついて猫をはたきながら
こらぁなどと言ったが、
逆に女房に小言を言われ、
扉の前、チョコンと座った
黒猫はキョトンとしていた。
ルビは外に出たいんでしょと女房が、
猫の気持ちが分からないのかと詰り、
僕はなぜか暗い気分になりながら
猫の気分が分かるくらいなら
とっくにあんたの気持ちが分かっているはずなんだよなぁ
などと反論したいが小言でぶつくさ言うだけで
結局、僕にはいつまで経っても分からないことだらけで
一から出直しの毎日
このことはパソコンだけではないもので
少しため息をついていたのです。
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猫