蜃気楼
ミツバチ
真夏の道
揺れる蜃気楼の向こうに
君が見えた気がして
通り雨
子供達の笑い声が
吸い込まれた雲
秋の気配を
忍ばせた空気に
形を変えて流れてゆく
夕暮れ
空の色が紫に変わる頃
何処かで打ち上がる
花火
心地よい風に変わる
僕は君の笑顔が思い出せない
あんなに一緒に居たのに
ほどけていく会話
滑り落ちる思い出
君はさようならも言わずに
気がつけば一人で
蝉が泣き止んだ午後
一瞬の静けさの中
記憶の片隅に立ち竦んだ
僕が居た
自由詩
蜃気楼
Copyright
ミツバチ
2009-08-21 20:24:02