いつかの落書き
中原 那由多
腐敗からごみ屑を拾い集め
給水塔をふと見上げる
エントランスの足音は独りぼっち
曇天の下、ふわり
枯れ葉が一枚舞っていた
音信不通にただ落胆
誰も悪くない、悪くはない
南京錠を掛けたなら
これで最後にしておこう
金網の下1メートル
探し物は当然なくて
人間は難しいよね赤トンボ
幕引きは時に壮大で
またあっけなくもある
未完のまま放置されて
批判さえもできなくて
一方通行
草を刈る音が虚しい
田舎の夕暮れ
好奇心は枯渇した
必死で形にしたものは
大したものでは決してなく
その為の礎に
果たして価値があったのか