ニセモノじみた絶対
瀬崎 虎彦
緑の旋律 てのひらよりこぼれおちて
レティナに舞うすべての形 曲線 肌の白さ
優美で華奢な少女というニセモノじみた絶対
ひとつの奇跡のようにひらく花のような軽さ
笑い声泣き顔 細い指薄い瞼
早くしないと時間をすり抜けて
どこか遠くへいっちゃう気がして
そしたら もう二度と君に会えない
曇り空 オープンカフェ ラルフ・ローレン
君が触れるすべてが まどかに美しい
交響曲に仕立てられて あどけなく無敵
ちょっとフォーマルなジャケットを着て
カッコをつけてきたはずなのに
手持ち無沙汰で僕は立ち尽くすんだ