『海ともぐら』
海 猫
電車がたどり着く前の
胸のざわめき
生暖かく
気持ち悪い風が
僕の隣を駆け抜ける
飛び込めば冥土
流される人
壁と壁の
狭い隙間を
もぐらのように進むよ
このまま遠く
誰も知らない世界へ
連れてってほしい
線路なんか越えて
遠く青いところまで
人の群れ
あっちの世界に
逃げ込んでばかり
ここは闇のなか
誰もが嫌う
白が汚れた黒のなか
自由詩
『海ともぐら』
Copyright
海 猫
2009-08-20 22:21:29