お題/君の居ない景色
茜井ことは


浴そうに張ったお湯に
指を挿し入れる


前のめりになれど
湯垢の帯を隠すことなどできもせず


立ち尽くしたまま夜を明かせば
ふやけた皮膚の中には
誰の後悔が詰まるのだろう









自由詩 お題/君の居ない景色 Copyright 茜井ことは 2009-08-20 19:26:33
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