約束の紐緒
瑠王
木洩れ日が肌を焦がした夏の友のように、
目映
(
まばゆ
)
くからかう
種を溢して果てる向日葵
窓から人知れず洩れた、夜の海が街をひと飲みにした
黄信号の点滅
夏の恋人のように、黙ったまま悲しい顔をする公園の象
胸底の長い廊下で
僕はあの娘とすれ違った
いとも容易いことが何より難しかった
時計仕掛けの宇宙
約束の紐緒が切れてから
どのくらい経っただろうか
自由詩
約束の紐緒
Copyright
瑠王
2009-08-16 23:28:01