晩秋
西天 龍

豊穣への感謝と
安堵の温もりが
微かに残る
静寂の晩秋

来年もまた
この谷の人々は
ここに集い田を起こし、水口を開け
苗を植えるのだろう

何故と問われれば
きょとんとして
何故そんなことを問うのかを
問い返すに違いない

それが生きることの水口であることを
知らぬ者などいるわけがないと言いたげに


自由詩 晩秋 Copyright 西天 龍 2009-08-15 08:09:21
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