青雨の裸婦
こしごえ

しげりしげり光の青青としげった青葉を食む
尺取虫の羽化をした。
青空の縁を

すぎる時はぬれている。
白い肌の、青く浮かび上がり
おもい出を語り継ぐ
(おばあさまのわかいころ一時
 白いお米はたべられなかったそうよ)
羽化をした、羽が、やがて雲とも交わる。
すべてを声にする
紫に冷めたくちびるの自問
流水の果てに。

日輪に暈のかかり
昇ってゆくほそい雲
を黒い影たちが見上げている。
風はいまだ訪れずここに
青葉はおだやかにそよぐ気配もなく
静かに光合成を告白している

これが一つつばめらひくく
無関係なものか、と
あらわにする
味覚に
耳をかたむける、くびすじの細さ

『今宵は、
雨かしら






自由詩 青雨の裸婦 Copyright こしごえ 2009-08-15 05:38:16
notebook Home