人生の大半は君を待つことに費やされた
瀬崎 虎彦
いつしか雪が降りだして
夏なのにね おかしいね
僕は悲しい顔をして
君が帰ってくるのを待っている
僕のほうが先に死んでしまうよ
犬だものね 当然だね
玄関のタイルの冷たさに
柔らかく眼を閉じて待っている
歩き眠り 食べ眠り
けれど僕の人生の大半は
君を待つことに費やされた
待ちくたびれたけれど
最後に伝えたいことは一つ
君を待つ日々は幸せだったと
自由詩
人生の大半は君を待つことに費やされた
Copyright
瀬崎 虎彦
2009-08-14 08:24:22