木星に衝突痕が現れた日に
ばんざわ くにお

かみさまおねがい
おしえて
どうしてひとはしぬのか

かみさまおねがい
おしえて
どうしてひとはけっこんするのか

かみさまおねがい
おしえて
どうしてひとはこいをするのか

かみさまおねがい
おしえて
どうしてあかちゃんはかわいいのか

かみさまおねがい
おしえて
どうしてひとはおかねをほしがるのか

かみさまおねがい
おしえて
どうしてひとはくるしむために
うまれてきたのか

かみさまおねがい
おしえて
どうしてひとはいきているのか

かみさまおねがい
おしえて
どうしてひとはいきていかなければならないのか

かみさまおねがい
かみさまおねがい
おしえて
おしえて
どうしてわたしたちをつくったのか
かみさまおねがい
おしえて



【解説】先月(7月)19日にオーストラリアのアマチュア天文家の
アンソニー・ウェズリー氏が木星面観測中に木星南半球の南極近くに
巨大な暗斑を発見した。その大きさはほぼ地球ぐらいの大きさであり
何か巨大な飛行体が木星面に衝突したことを示していた。それは
19日以前の数日間に小惑星か彗星がすさまじい速度で木星面に
激突したことを物語っていた。
もし地球に衝突していたら大異変が地球に起こっていただろう。
アンソニー・ウェズリー氏が撮影した巨大な暗斑がある
木星面の画像は私に強い畏敬の念を抱かせた。
この世とはなんとはかないものか。
地球での人類の繁栄が永遠に続くかと錯覚するような日常感覚。
人類の未来など一瞬にして吹き飛ぶかのような
巨大な力が現実に存在している。

私もアマチュア観測家として自宅に木星観測専用の大きな反射式
天体望遠鏡をすでに自作し木星観測を計画している。
アンソニー・ウェズリー氏は私が良く見ている日本の月惑星研究会の
サイトに優秀な観測結果を寄せている常連だった。
氏の所有する良く調整された大きな反射式天体望遠鏡で撮影された
木星画像はまるで惑星探査機から撮影されたかのように
鮮明で美しい。
美しいものは真実である。
そして恐ろしいほど冷酷である。


自由詩 木星に衝突痕が現れた日に Copyright ばんざわ くにお 2009-08-13 21:23:05
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