手袋
番田
ジーンズに挟んだ船にまたがってそこを進んでいく
自転車を転がして
鉄パイプに銀色の輝いているのを いくつもの魚を見た
篭に入った自分ではないことを 思いをめぐらして
僕は望んだ誰かではないようにして
風に乗って どこかに飛んでいった
小石を手にして空に投げるとそこに
色々な焦げ茶色の
誰の手袋に 手を通して
指先で思い浮かべるその手に
砂を手にするように それは黒く
考えるばかりだ 僕に
思いを願って 頭の中に誰かであればと
考えている しかし
自分がいる そこから 夜の眠りについている
そこに昔の道を進んだ
恋人のことを見た光が僕の灯そうとしている人生について
出て行くことを眠りは楽しい 起き上がることなく
眠り続ける 朝にならずに
続いていく 太陽のないままに
続いていく 漆黒の闇にろうそくの光を見た