病い
百瀬朝子

人の気持ちを量ろうとした
わたしは許されてはならない存在

持病か仮病かわからない
肉体か精神かわからない
弱気になったわたしはきみにコールする
待ち合わせの三十分前
「やっぱり今日は行けません」それでも
わたしの前でがっかりしないでほしいの
わたしの前で嘆いたりしないでほしいの
身勝手なわたしの望むやさしさが
きみの中で泳いでいるのなら
どうかそのやさしさで
わたしを突き放して
わたしの病いはとけてゆく

ほんの少し人より臆病だった
閉塞した空間にいられない
窓のない小部屋がわたしを閉じ込める
むしむしする夏の夜
不安が果てるのをじっと待つ
だってここから動けない

「わがままでごめんね」でも
そんなわたしの
そばにいてくれる人たちに
「ありがとう」

わたしはわたしを罪で縛っている
縛るわたしがわたしの病いの根源だと
きみは指摘する
わたしは受け入れられない
逃亡した
伸ばした手はきみに向かっている
矛盾する
遠い遠い過去と未来
その狭間で戦っている


自由詩 病い Copyright 百瀬朝子 2009-08-12 11:14:48
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