消失する十四歳
マナ


15歳になりたいゆびさきがおいかける
はやく、はやく、
流れだしたわたしの白さをつかまえてよ
すがりついた手の中に
しがらみだけが溜まって
あいしてると言えない
瞳を、
腕を、
唇を、
すぐに壊して欲しい
のびた爪でひっかいた背中が深まる
なかみが丸見えの心臓を
しぼって
収まらないのは下降でしょ?
嘔吐感のする青さをたぐりよせながら
バースディガールを演じてる
のりたい
幸福論につれだして
あなたの脳でねむる
それもアリだよ
たべたい宇宙が廻ってる
すきだよ すきだよ が
うまく言語化されないの
同じ舌を噛んで
死んだ夏の女の子は
いまもすきだった
小さな水槽でねむる深海魚のきみは
いまどうやって笑ってるのかな
もうかけ離れてる
ふき消したはずの蝋燭がいまも消えないの
すきじゃなかった不協和音をあいせて、
はじめてわたしひとつになれた夜を
いまも覚えてる
バルジが沈んだブルーサマー
それがわたしのうまれたとき、
しずかにしずかに
消し去ったものとは?


自由詩 消失する十四歳 Copyright マナ 2009-08-10 21:16:00
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