夏を迎える
ことこ

言葉

目配せする紫陽花たちはにぎやか/に笑みをこらえる。もうすぐ先生がやって来る。廊下をひた走る。期待。新学期はとうに古びて奇妙な連帯感が地中に根を伸ばす。もうすぐ黒板消しが落下する。中間テストを目の前にして、すまし顔を装う。

回析

あくびをかみ殺す、あいまに秒針を進めたい。必然的に酸素が足りない。こんなに狭い水槽では、水草に足が絡まるのだ。前線を押し上げるためにいっせいに背伸び。あるいは、肩車をするくらいの思い切りのよさで良い。起立/礼/着席後は秒殺で飛び出せ。

合唱

うす暗い渡り廊下で響かせる。ママレードを薄くスライスする練習を繰り返す。すとすととまな板に包丁があたる。リズミカル。さわやかな果汁があふれる。ひまわりの笑い声。日焼けした肩。上を向いた水道の蛇口から、飛び散る水飛沫がまぶしい。


自由詩 夏を迎える Copyright ことこ 2009-08-10 00:05:50
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