(輪郭)
ことこ

(輪郭)

こんこんと湧き上がる花の火の
みみへ伝わる振動が
つれてゆく
うまれたての湖の静寂

くちびるの隙間から
こぼれてゆく言の葉が
切りとるいっしゅんは
つめたい石に閉じ込めて

ねむたいの、ねむりたいの
子守唄をきかせて


(波紋)

レモン色の舌でわらう
月がまるい
まるすぎて
かぶりついた子どもの歯型が
なみうって残ります


(薄氷)

規則ただしい音程で
進んでゆく
ティンパニの夜明け

欠けることで保つ
シンメトリーの朝顔

アスファルトだけが
なんどでも緩んで
蒸発する
白昼を迎える


自由詩 (輪郭) Copyright ことこ 2009-08-09 23:39:49
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