誰か僕に仕事を斡旋して下さい
セガール、ご飯ですよ
あの時 俺は3歳でやくざに中古車を斡旋していた
親父とお袋はモノマネパブで手品を披露していた
年の離れた兄貴はF1レーサーになりたがっていた
年老いた祖父母の邸宅は無情にも差し押さえられ
大物芸能人の取り巻き連中に300万円で落札された
そういう幸せな暮らしに俺は飽き飽きしていたんだ
そういう豊かな暮らしに俺はうんざりしていたんだ
やくざは東南アジアに海老の養殖池をいくつも造り
ブラックタイガー種の海老を育てチリソースで食ってた
俺が斡旋する中古車はソビエトが壊れて売れなくなった
両親と兄貴はボリショイサーカスのチケット代が払えず
年老いた祖父母を大物芸能人に仕立て上げようと企んだ
取り巻きの連中と俺は共同で事業を起こす約束をしたが
アイドルグッズの意味を履き違えて何もかもが破綻した
そういう幸せな暮らしに俺は飽き飽きしていたんだ
そういう豊かな暮らしに俺はうんざりしていたんだ
市民公園の野外ステージを貸し切りにして歌っていたのは
ラブ&ピースに満ち溢れたエコでロハスなパンクバンドで
サブカルチャーに毒されたエコでロハスな取り巻き連中は
揃いのTシャツやゴムバンドをつけてケバブを食っていた
収益金の一部を使って恵まれない子供たちに覚醒剤を送り
その実績を盾にして次々と優良企業に就職を果たしていた
経済的に余裕のある彼らに俺は中古車を販売したいと思った