あとのマツリ
愛心



ゆるゆると祭りは終わり
その喧騒はとろとろと
静かな夜と同化する

瞼をおろしても 突き刺さる灯りを
残像を残す為に
目を見開き 睨みつけ

華やかな祭りのラストを 密かに飾る
切ないざわめきの中
此処にいる筈のない

「あなた」を探す

わたしの目を 盲目にしてくれるのは
その眼球に突き刺さった 光の尻尾

「あなた」の姿を隠し

まばたきする度に
夜の人混みを乱舞する

わたしが望んだ 独りよがりな淋しさ

「あなた」を隠した 自虐的な行為

「あなた」はいない

わたしの視界にはいない

わたしがいない

「あなた」の視界にはいない

これで状況は同じ の 筈なのに

胸の芯の底を
かきむしる痛みは

きっとわたしだけ

「恋は盲目」なんて 笑えない


淋しさを紛らわしたくて
わたしは今夜も
遠くの月を見上げる


携帯写真+詩 あとのマツリ Copyright 愛心 2009-08-09 01:06:01
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