あの子たべたい
わだち彩子
わたしにはとうてい知りえなかったことがある
そのやわらかな皮膚やしろいにのうで、滾る血潮
あたたかな胃液にゆれるわたしの唾液
そのすべての美しいこと
エンドロールを延々とながめているようだ、わたし
きみの殺したものばかりあつめてはきっとわらっている
静脈のようなきみ
自由詩
あの子たべたい
Copyright
わだち彩子
2009-08-08 22:50:08
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