頬をつねって半笑い
中原 那由多
王様ゲームで君に「好きだよ」と言う夢を見た
朝、目覚めて良かったと思う反面
続きも少し気になった
君はどうしようもなくて友達に抱きつき
僕は「やっちまったな」というしかめっ面の演技をしていたからだ
しかしこんなものは悪夢に分類したほうがいいだろう
どうせなら悪魔にでもなって世界を破壊したい
それこそ悪夢じゃないかって?
僕は心を弄ばれる方がよほどに怖い
だからもっといい夢が見れるように
昼寝をすることにした
別に眠たくもなかったけれど
案外簡単に眠ることができた
僕は綺麗な夢を見た
僕の作った歌を誰かが歌っていた
僕は猫に何かを熱心に語りかけていた
目覚める手前にはエンディングテーマも流れていた
君にも見せてあげたかったけれど
君はまたどうしようもなくて友達に抱きついた
僕もまた「やっちまったな」というしかめっ面の演技をした