走り書き
新守山ダダマ

私の字はどんどん汚くなっていく
言葉が泣いている
きれいに書かれたかっただろうに
誰も読めないような字にされて
私は言葉に土下座したい
それでも急がなければ
大事なこともすぐメモしないと忘れそうだし
書きたいことが多すぎて
ついついペンを加速させてしまうのだ
大事なことなら落ち着いて書きたい
いい言葉なら文字も美しくしたい
言葉を愛すると言いながら
私は愛するものにひどい仕打ちをしている
書くことは生きることだと言いながら
私は堂々と生きられていない
書くことは生きることだと言うのなら
私は書道家をめざすべきなのかもしれない
でも実際は速記の方が向いているようだ
それでも私は自分の言葉にこだわりたい
完璧にきれいな字なんて書けないけれど
言葉に対して自分に対して誠実でありたい
それでも今こうして書いている言葉も
すぐに書きたくて書くので汚くなっている
愛情表現は難しい


自由詩 走り書き Copyright 新守山ダダマ 2009-08-06 23:23:46
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