テーブル
紀ノ川つかさ

テーブルの格子模様に
グラスの底を当てて
君はその大きさを測っている
今週末は雨が降っていて
僕達はまるで
晴れ間をうかがうような顔でしか
会えない
八重洲の長い地下道を歩いて歩いてきて
やっとたどりついたこの店の
塩辛いパスタをフォークですくいながら
すぐにキレる人々の
話をした
僕達は平日の昼間
誰からも守られていないのだ
すぐにキレる人々の
話をした
まだやまない雨やまない雨が
きっと地上に降っている
あの雨で地上はきれいになると思うから
そこに住むのは新しい人達だと信じている
テーブルの格子模様の
これは南北の通り
これは東西の通り
私のうちはきっとここだと
君は探し続ける
雨はまだやまない
私のうちはきっとここだと
君はグラスをそっと
そこに置く



自由詩 テーブル Copyright 紀ノ川つかさ 2003-09-28 22:33:54
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