楽園に積もる雪/8月のメリークリスマス
遊佐




常夏の大地に降り積もる灰色の雪
灼熱の陽射しにも溶けもせずに降り積もって行く

見慣れた紺碧の風景を蝕む大きなキノコ雲を見上げる子供達
溶けない雪を掌に掬い取り何やら呟く年寄り達

楽園の午後/晴天の甓靂

不意に閉ざされた天へと繋がる道は厚い雲の向こうで微かに光の扉を開く

透き通った海は今もこの世で一番美しいと、大国ニュースキャスターは冷たく笑った


冬の無い島の人達へ
スーツを着たサンタさんからの季節外れの贈り物

とてつもなく高価な打ち上げ花火と
ディナーには凡そ不向きなドでかい茸と



天国への優待券…。




自由詩 楽園に積もる雪/8月のメリークリスマス Copyright 遊佐 2009-08-06 13:17:35
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