月夜
リタ。

まるい空に丸い月が浮かんでる
どうしても、あの
金色のボタン押したくなっちゃう
光ってる穴のぞかなくちゃいられない

そんな満月の夜だから
モギモギして
夜更かしするのも仕方ない

忙しいこうもりがパラパラ空にいて
黒ぬりの木はヒソヒソ闇にいて
田舎の町はスヤスヤおやすみ

月はオレンジリングの餌をまいた
天海を泳ぐ雲の群れが集まってきた
地上に向けて光のヌードルを垂らしては
あやまたず、あそこには
9つの頭を持つヒドラが棲息してる

その怪しさを
探ってみたくて
月にエッコラ梯子をかけたの

金色のボタンを
ピンポンピンポン鳴らしても
誰も出てこないから
こっそり光ってる穴
のぞいちゃった

車に太陽を積んで
アポロンが待機してたよ

" いつ現れるの? "
" ここから飛び出すのは世紀末 "
" 早く、この世界を明るくして "
" 今はまだ、月明かりくらいがちょうどいいのさ
全てを白日のもとにさらしてしまったら
人間の世は大変なことになっちまうからね "


自由詩 月夜 Copyright リタ。 2009-08-05 10:57:02
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