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エルメス
君は呟く。死にたい、と。
僕は知っている。君が僕の何倍も生きたいと思っていることを。
君は叫ぶ。学校なんか嫌いだ、と。
僕は知っている。君が僕の何倍も学校に行きたがっていることを。
君は主張する。友達なんかいないほうが良い、と。
僕は知っている。君は僕の何倍も寂しがり屋なのだということを。
君は泣く。独りを好み、閉じこもり、目を閉じ、音も立てずに泣く。
僕は君を見ている。独りが嫌いで、だけど独りかもしれない僕。
笑いたいなら、笑えば良い。
泣きたい時に、泣けば良い。
苦しいなら、逃げれば良い。
弱くても、全然、構わない。
強くなろうとしなくて良い。
全てが、許されるのだから。
わずかな回路の違い。
過去と今の違い。
君と僕の違い。
わずかな。
違い。
でも。
大丈夫だ。
同じではない。
それは当たり前。
それこそが君の望み。
気付いているかな。変わりたい、と君が心の底から願っていることに。