フィクションに泳ぐ魚たち
within
もう何がリアルで何がフィクションか
わからないくらい
嘘をついてきた
嘘で満たしたプールの中に泳ぐ魚たち
本当のことを言うと誰にも相手にされないから
作り笑いを浮かべて 話を作るのがうまくなった
それが実話ならば こんな虚しさに
心が崩れそうにはならないだろう
母さんも知らない 僕の絶望
僕の作り話は どれも似た形をしていることに
気付いているのだろうか
白む山の向こうから 湧き上がる入道雲
まだ現実が身近だった頃に 思い描いた話は
こんなエレジーではなく 駆け出したくなるような
ロックンロール