逆さまメガネ
リタ。

自転車に乗った
憂いタマシイ
たまたま溜め息ついたら
ため池にドボーン
落っこちた

びっくりして
池の主が首をもたげる
意地悪そうな顔だった
ぼくは興味をそそられた
" 逆さまメガネを貸してあげるよ "

その時、悪戯プカッと浮かぶ
ネガネガコードにひっかかった
ポジポジコードに変えてしまえ

池の主の眉間のしわにメガネをかけたら
コラーゲンを注入したみたいに
ぷっくりふくらんで
溝がひとつ埋まったよ

こんな池が見えたと思う

憤怒は笑顔に
屈辱は称賛に
醜悪なものほど慈しみ
脅されるほど敬って
淀むほど澄み渡り
ヌルッとしたらサッパリリ

アベコベ逆さま
つべこべ言うより
濁りしため池
砂金が浮くほど輝きき

そんなはずない?
それなら見てみて
逆さまメガネを貸してあげるよ


自由詩 逆さまメガネ Copyright リタ。 2009-08-03 23:53:21
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