ずぶぬれ
瀬崎 虎彦

こねこねつるりと
心臓を抜くような
夕立 ずぶぬれになって
長い長い 坂道を下る

サンダルで失敗したなと
思わないように夏でも
ちゃんと 紐の靴を履いて
のぼった時はお天気 だったのに

こんなにたくさんの水が
今まで空に浮かんでいたのが
不思議 で大人にはなれず

あんなに激しかった雨が
やんですぐ後にお天気なのが
不思議 でなければ 大人ではない


自由詩 ずぶぬれ Copyright 瀬崎 虎彦 2009-08-03 22:53:38
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