ページめくり林檎頬張るは二重奏 兄 娘抱き 娘 笑う 煮た馬鈴薯やわらかくなり 短冊に筆持ち小一時間笹も頭を垂れ 貌から顔の角無き玩具溢るる うら側のまっ白なチラシ 花を撮る姿の花 生き甲斐と共に湯船が笑い 水に浸す老いは老いとして まっすぐな道歩めば じきまっすぐになる 畝と畝の間が骨の望みよ 葬式饅頭うまいと桃色の子ならぶ萩の間に 飯食って糞尿 修羅の仕業と 昔ばかり思い出す足 埃をじっと見やる 薬飲む時は静か まざまざと生かされ夜の錆色 後悔もままならぬ骨よ骨