重低音
衿野果歩

あの人の奏でるベースの音が
腹に響いて

湧き上がる感情に
名前を付けるのをためらった


本当はその指で
乳首を弾いて
あたしを高い声で
啼かせて欲しかった


腹に響く重低音
かき乱す欲望

一度だってその指に
触れたこともなかったのに


自由詩 重低音 Copyright 衿野果歩 2009-08-02 21:24:41
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