魔性の水
邦秋

四半世紀ぶりに巡り逢えた
子宮の次に居心地のいい水
かえす波も照らす光も
ありのままを許す不思議な水

歩みを停めて足を浸ければ
すぐ渦創り吸い込んだ水
溺れてもいいと思えたときは
その溺れ方は考えなかった

僕のインクは色が濃いから
点が円になってしまうね
染まりきれたら綺麗な水が
濁って元に戻らないのに

不思議な水は色を透かして
潜む純粋を暴き出しては
溺れてもいいと思わせたなら
刹那、窒息、もがき始める


自由詩 魔性の水 Copyright 邦秋 2009-08-02 10:22:44
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