向日葵が咲いていた
中原 那由多
入道雲の向こう側
確かめたくて走り出す
在りし日の思い出
途中から自転車に乗るようになり
ずっと遠くまで進んできた
一本道はまだまだ細くなってゆく
光を集めたビー玉
ころころと転がる先に
もう来る頃だね、微炭酸
揺らぐ小さな泡たちは
焦る気持ちに取って変わる
窓辺の君は白く
ふわりと風に吹かれては
ただ追いかけて諦める
震える指先と望みを表し
誰の為でもない愛想笑い
壁に溶け込みいなくなる
アスファルト上の蜃気楼
鼻歌と交じれば何を映す
眩しくないとよそ見して
知りたいものが分からない
蝉の咽びを聞いた後
儚さについて泣きたくなった