僕には手立てがなかった
kauzak
僕には手立てがなかった
君を忘れようとするしか
空しさをほどく術はなくて
叩き着けるように
書き殴られた手紙が届く
乱雑な折り目を開いて目を通す
君が去ったことを思い知る
追いかけることなどできるはずもなく
春待ちの畦道で溜め息を吐く
閑な陽射しに欠伸をする
開花した桜に口付ける
その苦みを甘受する
正しいことと錯覚しながら
貴方を求めている
貴方からも求めてもらいたくて
何度でも呼びかける
世界を捉え直すために
※「連なるだけの言葉」シリーズ
自由詩
僕には手立てがなかった
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kauzak
2009-07-29 22:04:12
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