A SUMMER WASTING〜地獄の季節〜
ゆりあ
《ある少女の過ち》
私は聖書をビリビリに破いて捨てた
みんなが私を信じられないと言う瞳で見た
教室が凍りついた
「あなたたち、この位のことが出来ないんだったら本当に神様を見たなんて言えないわ。
私は聖書なんか信じ無い。
ここに出て来る人たちは神様を見たことが無いんだわ。
全部嘘よ!なんでみんな気付かないのよ。
馬鹿じゃないの。」
奇妙な眼鏡をかけたアンダーソン先生の瞳がつり上がった
カツカツとヒールを鳴らして私に近付く
「ちょっとあなた、来なさい。」
私の腕を強く掴むと教室の外へ引っ張り出そうとする
「いたっ…教師の分際で私に触んないで!
私は大っ嫌いなのよ、あんたみたいな馬鹿も
あんたみたいな馬鹿に媚び諂う気持ちの悪い生徒もみんな大嫌い!
みんな偽物の方が好きなんだわ。
偽物を一生信じるなんて私は絶対に嫌。
あんたたちみたいな人生はクズ同然よ。嘘吐き!くたばっちまえ!」
神は蚯蚓、蚯蚓は兎、兎は麒麟、麒麟は蛇、蛇は小鳥、小鳥は太陽、太陽は草花
学校で聖書を破いたら怒られた
あたしは学校を辞めることになった
先生も生徒もみんな嘘吐きだから
別になんとも思わなかった